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「そうめんのつゆって、市販のめんつゆじゃダメなの?」
ダメじゃないです。でも、自分で作ったつゆで食べるそうめんは、市販品とは別物の美味しさです。一度食べたら、もう戻れません。
前回の記事で**和食の黄金比率「出汁10:醤油1:みりん1」**をご紹介しました。今回はその比率をさらに深掘りして、**アレンジの幅を無限に広げる「八方出汁」**の考え方をお伝えします。
そして今日の実践レシピは「本格そうめんだし」。夏の定番料理が、基本を知るだけで格段においしくなります。
「八方出汁」とは何か
八方出汁(はっぽうだし)とは、あらゆる料理に使える万能出汁のことです。
「八方」とは「あらゆる方向」という意味。つまり、どんな料理にも応用できる出汁ということです。
料理人の世界では昔から使われてきた言葉で、基本の比率を覚えておけば煮物・浸し物・汁物・めんつゆなど、和食のほぼすべての料理のベースになります。
基本の八方出汁:出汁10:醤油1:みりん1
この比率を起点にして、料理によって数字を動かすだけ。たったこれだけです。
八方出汁のアレンジの考え方
ここが今日の一番大事なポイントです。
出汁の比率を変える
| 比率 | 味の特徴 | 向いている料理 |
|---|---|---|
| 出汁8:醤油1:みりん1 | 濃いめ・しっかり | 煮物・角煮・魚の煮付け |
| 出汁10:醤油1:みりん1 | 基本・万能 | お浸し・煮浸し・炊き合わせ |
| 出汁12:醤油1:みりん1 | 薄め・上品 | 茶碗蒸し・豆腐・白身魚 |
醤油の種類を変える
| 醤油の種類 | 特徴 | 向いている料理 |
|---|---|---|
| 濃い口醤油 | 色が濃く・コクがある | 煮物・焼き物・めんつゆ |
| 薄口醤油 | 色が薄く・塩分高め | 上品に仕上げたい料理・関西風 |
| 両方使う | バランスが取れる | そうめんつゆ・繊細な料理 |
濃い口だけだと色が濃くなりすぎる。薄口だけだと塩辛い。両方を組み合わせることで、色と味のバランスが絶妙に整います。
これがプロの料理人がよくやるテクニックです。
今日の実践:本格そうめんだし
八方出汁のアレンジを実際に体感してもらうために、今日は「そうめんだし」を作ってみましょう。
市販のめんつゆとは比べ物にならない、澄んだ上品な味のつゆです。
材料(4人分)
- 出汁:700ml
- みりん:100ml(出汁の約1/7)
- 濃い口醤油:50ml
- 薄口醤油:50ml
- 砂糖:小さじ2(お好みで調整)
- だし昆布:10cm角 1枚
- かつお節(追いがつお用):10g
比率で表すと:出汁7:みりん1:濃い口0.5:薄口0.5
基本の10:1:1から出汁の比率を少し下げて、醤油を濃い口と薄口に分けています。これによりコクがあるのに色は上品なつゆになります。
作り方
① だし昆布を水に30分浸ける
鍋に出汁700mlとだし昆布を入れて30分置きます。時間があれば冷蔵庫で一晩水出しするとより上品な味になります。
② 弱火にかけて昆布を取り出す
弱火にかけて、沸騰する直前(80℃くらい)に昆布を取り出します。昆布は絶対に沸騰させないこと! 苦みが出てせっかくの出汁が台無しになります。
③ みりんを加えてアルコールを飛ばす
みりん100mlを加えて中火にして1〜2分煮立てます。アルコールが飛ぶことで、まろやかな甘みだけが残ります。
④ 醤油を加える
濃い口醤油50ml・薄口醤油50mlを加えます。2種類を合わせることで色と塩味のバランスが整います。
⑤ 砂糖を加える
砂糖小さじ2を加えて溶かします。甘めが好きな方は小さじ3でも。ここはお好みで調整してください。
⑥ 追いがつおをする
火を止めてからかつお節10gを加えます。火を止めてから入れるのがポイント! これが「追いがつお」です。沸騰した状態でかつお節を入れると雑味が出ます。
⑦ 2〜3分置いてから濾す
かつお節が沈んだらキッチンペーパーで濾します。絞らずにそのまま自然に落とすだけでOKです。
⑧ しっかり冷ます
粗熱が取れたら冷蔵庫でしっかり冷やします。よく冷ますことで味が落ち着いて、格段においしくなります。 ここは急がないでください。
このつゆで食べるそうめんの美味しさは別格
冷やしたつゆをそのまま小鉢に入れて、氷を1〜2個浮かべるだけ。薬味はねぎ・みょうが・生姜・大葉など、好みのものを用意してください。
市販のめんつゆとの違いは「澄んだ味わい」です。化学調味料特有の人工的な甘みがなく、かつおと昆布の旨味がストレートに感じられます。
このつゆをさらにアレンジする
このそうめんだしをベースにすると、さらにいろんな料理に展開できます。
うどんつゆにする → 出汁の比率を少し増やしてあっさりめに(出汁8:みりん1:醤油1)
そばつゆにする → 醤油を少し多めにして(出汁6:みりん1:醤油1)コクを出す
にゅうめん(温かい煮麺)にする → 出汁の比率を増やして温めて使えます
天つゆにする → 出汁の比率を少し下げて(出汁4:みりん1:醤油1)濃いめに
煮物に使う → 砂糖を少し足してそのまま煮物のだしに
同じベースから、これだけの料理が広がります。これが「基本を覚える」ことの強さです。
まとめ:八方出汁はあなたの料理の「軸」になる
時短レシピや簡単レシピは、その場限りの知識です。でも八方出汁の考え方を一度身につければ、それは一生使える料理の軸になります。
比率を少し変えるだけで味が変わる。醤油の種類を変えるだけで料理の雰囲気が変わる。この感覚が分かってくると、料理がどんどん楽しくなります。
今日のそうめんだしから始めてみてください。
「あ、こういうことか」とわかる瞬間が必ずあります。そこから先は、レシピ本もスマホも必要なくなります😊
本格的なそうめんだし作りに役立つアイテム
追いがつおに使う本かつお節
追いがつおには、削りたての本かつお節を使うとさらに風味が増します。
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だし昆布
昆布の質でつゆの上品さが変わります。利尻昆布や真昆布がそうめんつゆには特におすすめです。
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薄口醤油
普段使いの醤油とは別に、薄口醤油を一本持っておくと料理の幅が一気に広がります。
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